タイトル
著者
出版社 形態 発表年(初出)
歴史よもやま話
日本編(上)

編・池島信平
文芸春秋 文庫 1966
  ※文芸春秋より1982年に再版
平泉三代(森嘉兵衛/富田常雄/遠山孝)
なぜ平泉に文化が栄えたか/いまも日本人の心に生きている義経/義経は日本人の理想像/金色堂は墓場か持仏堂か/四体のミイラの調査/北方の王者の面影/平泉三代と東北文化
源氏と平氏(渡辺保/松本新八郎/中山義秀)
如才ない政治家・平清盛/野性味あふれる源氏の棟梁/革命的な頼朝の蹶起/北条政子への毀誉褒貶/システムをつくった頼朝/天才的武将、義経/山本義経という怪人物/源氏の白旗・平家の赤旗

歴史についての著名人らの対談集。源平時代関連は以上のふたつです。
★★★  
物語日本史(中)

平泉澄
講談社学術文庫 文庫 1979
  藤原氏の全盛/八幡太郎義家/後三条天皇/院政/保元の乱(上下)/平治の乱/平家の全盛/源三位頼政/平家の都落ち/源義経(上下)/源頼朝(上下)/承久の御計画(上下)/北条時宗/後醍醐天皇/楠木正成/建武の中興/吉野57年(一〜四)/室町時代
日本史を物語として綴ったシリーズの一冊。歴史の流れをシンプルに把握できます。
★★★
  
日本異界絵巻

小松和彦
宮田登
鎌田東二
南伸坊
ちくま文庫 文庫 1990
  スサノヲ/八岐大蛇/ヤマトタケル/小子部栖軽/聖徳太子/役小角/吉備真備/空海/菅原道真/安倍晴明/俵藤太/平将門/酒呑童子/土蜘蛛/宇治の橋姫/鬼女紅葉/玉藻前/弥三郎婆/源為朝/舜天王/源義経/弁慶/鞍馬天狗/崇徳上皇/日蓮/後醍醐天皇/甲賀三郎/織田信長/岩見重太郎/累/河童/山女おかね/化け猫/アラハバキ神/ポイヤウンペ/平田篤胤/出口王仁三郎/ねずみ男/口裂け女/アキラとナウシカ/後詞鼎談 世紀末、そして異界論
日本産(?)のさまざまな魑魅魍魎、妖怪から実在人物からアニメキャラまでが、イラストつきのわかりやすい解説文で紹介されてておもしろい。オススメです。
★★★★★
  
新・大逆転の日本史
〜壮大な歴史の
転換期を描く!〜

早乙女貢 他
三笠書房知的生きかた文庫 文庫 1992
  第三話:秀衝・義経は鎌倉幕府を確実に倒す秘策を持っていた!
秀衝の死によって鎌倉政権の倒壊が救われた?/天に見捨てられた義経、その決定的な蹉跌とは?/義経、平泉入りの報に頼朝が驚愕、狂躁した理由/秀衝と義経が練った鎌倉進行作戦とは?/なぜ幻となった“関東進行作戦”

★★★  
歴史余話

海音寺潮五郎
文芸春秋 文庫 1995
  1:源平の周辺(平将門/「平家物語」雑感/源頼義/義経と弁慶)
2:戦国の周辺 
3:幕末の周辺

歴史小説作家海音寺氏の歴史エッセイ。義経生存説・ジンギスカン説の真偽、弁慶の出自等について、クールで鋭い見解を示しておられます。
★★★ 
日本史を操る興亡の方程式

中津文彦
PHP ハードカバー 1995
  ※1999年に文庫として再版
序:興亡に見る三つの共通項
第一部:滅亡の方程式
  1.帝国陸海軍/2.徳川幕府/3.武田氏/4.平泉/5.鎌倉幕府
第二部:興隆の方程式
  1・藤原氏/2.奥州藤原氏/3.徳川幕府/4.帝国陸海軍/5.天の勢い
中津氏独自の視点で、歴史の興亡にピタリとあてはまる方程式を解明しています。
★★★
  
これは知っておきたい!
日本の歴史名場面100

童門冬二
三笠書房知的生きかた文庫 文庫 1996
  第2章(平安・源平時代):権力の盛衰・歴史をひっくり返したこの名場面
 「常磐御前の都落ち」――母を助けるか、子ども(義経)を助けるか…
 義経の「判官びいき」――伝説の男はこうしてつくられた!
 頼朝・義経、黄瀬川で対面
 「鹿も四つ足、馬も四つ足・・・」――義経騎馬軍団、ひよどり越の逆落とし など
第3章(鎌倉・南北朝時代):大儀と名分・時代が流れを変えた瞬間
 静御前の舞――そのとき頼朝は?そして政子は?
 義経、安宅関破り――「弁慶の勧進帳」はいかにして生まれたか! など
★★★  
歴史の嘘と真実
〜誤解だらけの
「正義」と「常識」〜

井沢元彦
祥伝社文庫ノン・ポシェット 文庫 1996
  歴史学者の盲点を衝く日本史の真相!
「人権」という名の差別の実態・日本の新聞の「常識」は、世界の「非常識」・日本史を解く鍵、オオクニヌシ・なぜ帝に姓がないのか・日本人を支配する「言霊」・なぜ、日本人は水に流すのか・源頼朝〜覇者の教訓・信長を殺したのは誰だ!

義経・頼朝に関する記述はほんの2、3ページですが、ほかのページもおもしろい。歴史のみならず日本文化論として興味深い内容です。
★★★
  
謎ジパング

明石散人
講談社 文庫 1996
  桃太郎の正体/どこからやって来たのか日本のお茶/オムスビの不思議/「皿屋敷」の謎を探る/邪馬台国に謎はない/日本最古の将棋駒/金閣寺の伝説/江戸っ子の洒落/富士山雑話/宇宙人を閉じ込めた日本人/青いチューリップ/伽羅先代萩――頼朝と義経は本当は仲がよかった?/黄金の国ジパング/江戸文化立役者の罪/川中島合戦の通説の真偽/失われた大四元/国宝金印のキズ/金印発見の裏事情
頼朝と義経は実は強い兄弟愛で結ばれていた?という仮説。義経は奥州藤原氏の「行政機構」ソフトを鎌倉幕府創建のために兄に捧げ、さらには奥州藤原氏もろとも滅ぶことで兄の野望を身をもって叶えた。頼朝はそんな弟の自己犠牲に心の中で泣いていた…。このほかにも、著者独自の解釈をほどこした日本史トンデモ説?がいろいろ唱えられております。

★★★  
逸脱の日本中世

細川涼一
ちくま学芸文庫 文庫 1996
  ※ちくま学芸文庫として2000年に再版
狂気と倒錯 異色の中世史――物狂い、同性愛、輪廻転生、異性装…能からたぐりよせる、隠された心性史
T感性の逸脱
第一章 中世の狂気・物狂い――能と漂泊する精神
第二章 中世寺院の稚児と男色――謡曲「経正」「花月」と同性愛
第三章 第六天魔王と解脱房貞慶――謡曲「第六天」と伊勢参詣説話
第四章 虫類成仏と中世人の死生観ーー謡曲「胡蝶」と輪廻転生
第五章 中世王権と「亡国の音」――小督説話と音楽
U逸脱する女性
第六章 白拍子の男装・能の女装――中世芸能民の性別越境
第七章 二人づれの女性芸能者――中世遍歴民の世界
第八章 大力の女と白拍子――中世東北の武家と血統伝説
義経のことはほとんど出てきませんが、義経の生きた中世という時代を民俗面かつ心理面で理解する上でとても貴重な一冊です。
★★★
  
日本史が楽しい

編・半藤一利
文芸春秋 文庫 1997
  日本最初の知識人聖徳太子/遣隋使・遣唐使にみる日本積極外交術/万葉集大伴家持の怨念/紫式部は近眼だった!?/「かな」誕生ものがたり/『平家物語』とおおらかな日本人/足利義満とその皇位への野望/七福神は何処から来たか/お天気日本史/新・十二支物語/謡曲の義経(増田正造・観世清和)/決戦川中島の嘘/小説のなかの織田信長/“秀吉の京都”聚楽第のナゾを探る/『おくのほそ道』もうひとつの読みかた/大相撲のルーツ/隠居の効用/富士山の履歴書/水のある都市江戸/歌仙を愉しむ法/落語にみる江戸っ子の研究/吉原の遊女と客/新説・忠臣蔵/桜田門外の変と尊皇攘夷/明治維新の志士ベスト10/江戸開城と会津の悲劇/日本海海戦の世界史的意義/夏目漱石を探偵する/戦後をつくった大正知識人
日本史を半藤一利氏が各界の著名人らと読み解いていく対談集。義経のコーナーでは、謡曲(能)で扱われる義経像から、彼の真のキャラクター性、彼に託された世の人々の思いに迫ります。教科書だけでは見えてこない日本史の奥深さを知ることができる(対談形式なので読みやすいのもありがたい)、義経のページ以外も必読の良書です。
★★★★★
  
日本史を読む

丸谷才一・山崎正和
文芸春秋 文庫 1998
  恋と密教の古代
院政期の乱倫とサロン文化
異形の王とトリックスター
足利時代は日本のルネッサンス
演劇的時代としての戦国・安土桃山
時計と幽霊にみる江戸の日本人
遊女と留学女性が支えた開国ニッポン
近代日本 技術と美に憑かれた人びと
「院政期の乱倫とサロン文化」の章の「政治的手腕としての男色」の項で、藤原頼長や後白河法皇のソッチ系の話が出てきます。平重盛や源頼朝は平治の乱以前には後白河の稚児だったのでは、との疑惑が!うげげキモイ…ただの疑惑であることを願う。義経はといえば「(平治の乱の頃は)まだ小さかったから」と度外視されてますが彼の場合は成人してからのほうがアブナイんじゃあ…
★★★★
  
熊野三山・七つの謎
〜日本人のl死生観の
源流を探る〜

高野澄
祥伝社文庫ノン・ポシェット 文庫 1998
  序章 様々な顔を持つ聖地・熊野
第一章 小栗判官・照手姫は、なぜ熊野を目指したのか
第二章 なぜ上皇は、何度も熊野御幸を行なったのか
第三章 なぜ源平二大勢力は、熊野を味方にしたかったのか
第四章 なぜ補陀落渡海が、熱狂的ブームになったのか
第五章 なぜ熊野三山は、女性にも開放されたのか
第六章 カラス文字が刻まれた「熊野牛王」とは何か
第七章 「娘道成寺」安珍・清姫の意外な正体
熊野ゆかりの弁慶の出生秘話や、源平合戦に大きく関与した熊野水軍、義経も誓約書として使った熊野牛王のことなどがくわしく紹介されています。紀行文としても楽しめます。
★★★★
  
日本史鑑定

明石散人・高橋克彦
徳間書店 ハードカバー 1999
  ※2002年に文庫版として再版
天下の文人、吉川栄治賞受賞作家・高橋克彦氏の作家ならではの歴史認識に、“知の神”ともいわれる明石散人氏が刺激的な論考で迫る超絶無比の書。
第一章 日本のオリジナリティ
第二章 正史と偽史を分ける視点
第三章 浦島伝説で解く天皇家の謎
第四章 日本歴史の裏側に潜むもの
第五章 柳田民俗学が陥った罠
第六章 東北王朝と鎌倉幕府成立の謎
第七章 日本が誇れるもの

「謎ジパング」で源頼朝・義経の兄弟愛について語った明石氏ですが、この本では感情論より政治論として兄弟連携説を扱っています。
★★★
  
司馬遼太郎の日本史探訪

司馬遼太郎
角川書店 文庫 1999
  平家を全滅させた軍事的天才 源義経(司馬遼太郎・吉屋信子)/湊川に戦死した南朝の忠臣 楠木正成/蝮と呼ばれて国を取った男 斉藤道三/近世を開いた合理主義の天才 織田信長/天下を分けた大激戦の明暗 関ヶ原/南方に進出した日本商人 朱印船/日本探求に賭けた青年医師 シーボルト/幕末の人材を育てた蘭方医 緒方洪庵/尊攘派弾圧の幕末機動隊 新撰組/維新史を飾った陰の実力者 坂本龍馬/花の都パリに現れた侍たち 幕末遣欧使節/上野戦争の官軍総司令官 大村益次郎/北海道開拓に夢を託した人々 新世界“蝦夷地開拓史”
司馬氏は義経の奇抜な戦法とアイドル性・政治的不能を冷静に語り、平家命の吉屋氏は義経を野蛮、残虐、不良とひたすらなじる。はいはいはい、平家はエライですね〜!はいはい、しっしっ。さようなら。読む価値があるのは司馬遼太郎のパートだけ。
★★★
  
新人物日本史
光芒の生涯
(上巻)

畑山博
学陽書房・人物文庫 文庫 1999
  1 古代(阿弓流為/平将門/藤原清衝)
2 源平争乱(以仁王/木曽義仲/巴御前/源義経vs平維盛/源頼朝vs北条義時/源実朝)
3 中世(西行/親鸞/日蓮)
4 南北朝(足利尊氏/高師直/佐々木導誉/楠木正成)
5 室町(日親/足利義政/蓮如)
6 戦国乱世(北条氏康/武田信玄/上杉謙信)

義経の項では、戦乱を疎んだ悲劇の貴公子・平維盛に義経はどこか近しい思いを抱いていただろう、との説が。頼朝の項では、北条政子は父時政の意に従って行動するだけの実は古いタイプの女、政子の弟・義時は源氏の棟梁である頼朝につねに軽蔑と妬みを感じており、頼朝の死因は北条氏による毒殺である、との大胆な見解が示されています。
★★★★
  
独想日本史
高橋克彦迷宮コレクションA

高橋克彦
角川書店 文庫 2001
  丁寧な文献調査とミステリー作家ならではの大胆な推理。学校や教科書では決して教えてくれない、独創性あふれるユニークな日本史
ストーンサークルは縄文人たちの道祖神だった!/縄文はなぜ滅びた 古代文明、大転換の謎/源義経 奥州逃亡の真相/大江山「酒呑童子」伝説にかくされた真実/歴史が教えてくれるもの/奥州は炎立つ――北の人、モノ、情報のネットワーク/義経翁の逃避行 奥州藤原氏の野望/小野小町 落魄の真相/隠された「文明開化」/伊達政宗 生き残りのグルメ戦略/東国の武士、天下を揺るがす/平安王朝、東北の大戦争 桓武天皇vsアテルイ

★★  
日本人が知らなかった
歴史の顛末
〜その人物は
どこへ消えたか?〜

歴史の謎研究会
青春出版社 文庫 2002
  第一章 時代を動かした彼らはその後どうなったか
第二章 歴史的大事件の主役たちの顛末
第三章 芸術・文化を担った天才たちのそれから
第四章 突如、歴史の表舞台に立ったその人の行方
第五章 謎に包まれたあの人物の足跡

源頼朝の子孫、那須与一が僧侶になった理由、静御前のその後などが取り上げられています。静と義経は姉弟のようなカップル(しっかり者の姉、ヤンチャな弟)だったのだろう、との見解には私も賛成!
★★★
  
美少年日本史

須永朝彦
国書刊行会 ハードカバー 2002
  美しき者たちの歴史 天草四郎や森蘭丸をはじめとした、日本の歴史を彩る「美少年」像の変遷を、驚異的な博識でもって語りつくす。
日本史上数多の「美少年」が神代の古きから平成に至るまでばっちり網羅されてます。「源平時代の美形」の項には平維盛・平敦盛・平経正・木曽義仲・梶原景季・源義経の面々が取り上げられています。でも私、義経以外のことなんて、とくにソッチ系のネタなんて別に深く知りたくもないんだけど…。
★★★
謎解き
「兄弟」の日本史
〜歴史を動かした
“血の絆”とは〜

歴史の謎研究会
青春出版社 文庫 2003
  時代に翻弄され、愛憎劇を繰り返した意外な結末〜源頼朝と義経、坂本龍馬と乙女、孝明天皇と妹・和宮…
第一章 時代に翻弄された兄弟たち〜数奇な運命をたどった兄弟の末路〜
第二章 兄弟は「他人」のはじまり〜争いが残した兄弟の遺恨〜
第三章 志を同じくした兄弟の血の絆〜結束が結んだ成功物語〜
第四章 兄弟たちの情と愛〜支える者、支えられる者の人生〜
第五章 天才兄弟の華麗な経歴〜ともに活躍した兄弟の軌跡〜

日本史に登場する有名人兄弟を幅広く紹介。表紙イラストのにらみ合う源頼朝・義経兄弟にひかれて購入しましたが、彼らについての記述は6ページほど、第二章(兄弟は「他人」のはじまり)内に収録。日本中を巻き込んだ兄弟げんかの原因について解釈されています。
★★★
  
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